忘れられる権利とは何なのか

土曜日 , 3, 12月 2016 忘れられる権利とは何なのか はコメントを受け付けていません。

忘れられる権利

忘れられる権利の概要

「忘れられる権利」はインターネットが普及した現代において非常に重要視されるようになった新しい権利のことです。

ではこの権利は具体的にどういったことを指しているのかと言うと、基本的にはインターネット上にある個人情報を検索結果から削除してもらうよう、検索事業者側に対して請求できる権利のことを指しています。

インターネットが無かったころの世界では、一部の記録する価値がある情報を除けば大半の情報がいずれ忘れ去られるようになっていました。

例えば10年前の雑誌に掲載されていた広告のモデルの名前など、大半の人が覚えてはいないことでしょう。

ですがインターネットの場合はそうではなく、データとして過去に作られ、インターネット上に公開された場合には世界中にそのデータが存在している恐れがあります。

先ほどの例えで言うのであれば、10年前のインターネット広告の内容についても検索エンジンでキーワードを検索すれば容易に発見できることでしょう。

こういったことを禁止するのではなく、そのデータが示す個人情報の持ち主が要求した際に検索結果から外すようにするべきだというのが忘れられる権利の概要です。

忘れられる権利ができた背景

さて、ではこの忘れられる権利はどうして生まれたのかと言うと、この契機となったのは2011年11月、フランス人女性が世界最大規模の検索事業者に対し、インターネット上に公開されてしまっている自分のヌード写真を検索結果から除外するように要請したことでした。

これは裁判で争われることとなり、結果的に女性側の要求を認める、つまり個人を特定できるような情報に該当する場合はインターネット上から削除されるべきだという結論が出されたのです。

これによって2012年1月にEUでは忘れられる権利が「EUデータ保護規則案」として提案され、個人が管理者に対して自らに関する個人データを削除させる権利、その情報の拡散を停止させる権利、そして第三者に対してそのデータのリンクやコピーを削除させる権利があると規定されたのです。

ただこの忘れられる権利というのは表現の自由にも関わる問題であり、個人情報に該当するからと言って削除を全て認めてしまった場合、インターネットにおける表現の自由は失われかねません。

事実として日本ではこの表現の自由との兼ね合いが難しいということで、まだ司法の場でもかなり議論がされている部分となっています。

表現の自由を求めるのか、個人の権利を求めるのか、日本におけるこのバランスについては今後より深い議論が必要になるでしょう。